レンピッカ
昨日は大好きなレンピッカのお誕生日でした。おめでとう。
貴女と出会ったのは渋谷のBumkamuraミュージアム。その直線で描いた陰影の濃い原色が織りなす絵にあたしはすっかり虜になりました。そしてその後に毎週のように行っていた渋谷円山町のホテルには、貴女の絵が大きく飾ってあって、なにか運命的なものを感じました。月日が流れその情事もホテルもなくなり、ただそのホテルがなくなる直前、きっとあれがそこを訪れた最後の日、2016年にあの物語がはじまりました。千夜一夜物語。そこに出てくるヒロインの名前をあたしはレンピッカと名づけました。お供のクエストと囚われたレンピッカの物語。その物語もあの夏から進んでいない。
結局、千夜一夜物語の話になってしまうのも、もう宿命なんだと思います。あたしは今年の誕生日、きっとこの世界を選びました。幾千幾万ものパラレルワールドの中から、この世界を。そうすると妙に納得するんです。あぁあたしはこれを選んだのね。きっと選べる権利があるのなら、確かにこれを選んだんだわって。もしかすると1番は違ったのかもしれません。うん、どうかな、それよりもこれを選んだ、それがあたしの宿命、そして本能。だから。あたしは千夜一夜物語の話をします。昨年1月に新宿歌舞伎町の今はなきソウルキッチンで上演した2人芝居も千夜一夜物語。あそこから進んでない。ただあの物語とレンピッカの物語は違うもの。
何をしてるの。止まった時の中で。
近いうち進む時の中で、また会いましょう。
レンピッカ。