アイコトバはエル・トポ
映画を観ました。あたしには珍しく。
そうなのです。あたしは映画を観ない。
といっても単館シネマは時々行きます。
ただレンタルではほぼ観ません。友人宅で友人おすすめ映画を一緒に観るだけ。一人ではなかなかなか。
そんなあたしが、次回作のためにも映画を観ねば!と思い、重い腰をあげました。まずは5本。
その感想を無造作に書き連ねる。
『マルタイの女』伊丹十三
伊丹十三は全部観なければと思い、しかもこれはあたしの好きなテーマのやつ。更に次回作にも関わってくるもの。結果ものすごく面白かった。すごい。めっちゃエンターテインメント。いわゆる一般的に面白いエンターテインメントはチープに感じてしまうのですが、そんなの通り越してる。普通に面白くって、見終わった後も満足感は計り知れない。何度も言うけどすごい。『タンポポ』と『お葬式』を観たことあるけど、それよりもはるかはるか上にいました。
たくさん心の中に残るシーンはあるけれど、山本太郎扮する信者が奥さんと別れるシーンが一番残ったなあ。あのキスや抱擁、おっぱいを舐めたり、奥さんが旦那さんのをつかんだり・・・。生々しくって、他人事に思えないリアルさがあって、胸がしめつけられました。あと奥さん役の人が、あたしの好みなんだと思う。宮本信子と津川雅彦の不倫シーンもいいよね。別れるところ。
ああ、それにしても面白かった!
『イレブン・ミニッツ』イエジー・スコリモフスキ
マルタイを観た勢いで、今夜中にもう1本!と続けて観たのがいけなかったかもしれません。面白くなかった。きっと期待値がすごかったんだと思う。面白いよ!って聞いてたのもあったし、マルタイを観て、映画って面白いじゃん!って思ってしまったから。うーん、確かにね、ラストには驚愕して、ええー!って釘ツケになったけど、それまでが、そこまでか!?と思ってしまう。手法が面白いだけであって、特に内容として面白いわけではないのよね。手法に甘えてしまったのでは?と辛辣な意見を言います。
『エル・トポ』アレハンドロ・ホドロフスキー
正直これがそんなに支持されてる理由がわかりません。
大物たちが絶賛したという伝説のカルト・ムービー。
そんなに!?
あたしは観ていて眠くなりました。途中で止めて寝て、無理して観なくていいかなーと。
でも、次に書く『ホドロフスキーのDUNE』を観て、やはり『エル・トポ』も観なければと。
その中でホドロフスキーが言っていた、映像で見せればいい、言葉は削る、という考えを聞いて、ちょっと観れるかなと。だから頑張って観ました。
まぁさっきの途中まで観るのよりは大分良い。最後まで見た方がよかったです。
特に啓示になってから。あそこからは面白い。それまでもまったく面白くないわけじゃないし、確かに面白い部分はありました。でもそれは見終わって色んな感想を見たからだなー。そうすると合点が行くといいますか。なるほどと。そしてひとつとても面白い感想ページを見つけて。それが「アイコトバはエル・トポ」。でももう1回見たいとは思いません。
「自己を失ってこそ完璧」
『ホドロフスキーのDUNE』フランク・バヴィッチ
これは面白かった!ドキュメンタリー番組のお手伝いをしていたり、今年初めに観た寺山修司のドキュメンタリーがつまらなかったのもあって、ドキュメンタリーには良いもの悪いものがあると明確に知りました。それを言うなれば、これは確実に面白い方!ホドロフスキーのことがすごく好きになるし、他に出てくる人もどれも魅力的。役者は息子しかいないのに、みんな役者くらい魅力あって素敵な人達。DUNE観たかったです。本当に。今からでも作って欲しい。ダリとかミック・ジャガーの出演は無理だとしても。そのくらい魅力的。この映画からは次回作へのヒントをたーくさんもらいました。かなりいただくと思う。
さて残り1本はまだ観てません。
邦画です。
洋画よりも邦画が好きなので、しかも昔のものなので、期待はありますが、どうかしら。
続きはまた今度。