無知の骨頂

この1週間は勉強の1週間でした。東京外国語大学の夏のオープンアカデミーで、日本社会における宗教文化を学んだし、やっっと!小室直樹大先生の宗教原論を読みました。

講座は仏教に絞って。あたしは神仏習合も知らなければ、上座部と大乗仏教の違い、はたまた本地垂迹説も知りませんでした。無知の骨頂。

そして小室直樹先生の「小室 直樹の日本人のための宗教原論―あなたを宗教はどう助けてくれるのか。」
ただただ彼の知識や論理に脱帽。どれだけ頭が良い人だったのだろう。
内容はわかりやすいようで難しくて、たぶんあたしは5回は読まないと理解できない。それでも興味深いものは多かったし、目から鱗のような、宗教好きと豪語していたかつてのあたしを罵倒させてやりたいと思う内容でした。本当に読んで良かった。すごかった。そして確かに宗教は恐ろしい。

大学受験の際に、世界史を勉強し、よくあたしはこの世界史を知らずに生きて来られたのだろう、と思う程に、この本についても同じことを思いました。よく無宗教だからだとか、家は浄土宗だからだとか言ったものだ。
あたしは無知の骨頂。

ちなみに世界史は大好きで、中学受験を経て勉強が大嫌いになったあたしはもう二度と勉強しないと思って、中高時代は本当に勉強しませんでした。おかげで第一志望は入れなかったし、馬鹿のままで今も来てしまったけれど、それでも世界史は大好きで、史学科に進みたいと直前まで思ったものです。

でも高三のはじめ、大親友の月子に(彼女はあたしを富良兎と呼ぶ)「人間は神が作ったおもちゃなんだと思う」と言ったら、「それニーチェも言ってたよ!」と返してきて、「ニーチェってなに?!」ということから、哲学科を目指すことにしました。月子ちゃんはもともと哲学科志望。哲学科を卒業はしたけれど、きっとあたしは哲学の10分の1もわかっていない。小室先生に哲学原論も書いて欲しかった! 分野が違うから無理かもしれないけれど。

そう、先生の本で興味深かったのは宗教を社会学、経済学、政治学と結びつけているところ。だから日本は駄目なんだというのもすごくわかったし、アノミー状態で、学生闘争からのカルト集団というのもすごく納得。だからあたしは両方に惹かれるのかな? 家庭内暴力まではいかないけれど、この間に存在するいじめということにもあったし、客観的にいろいろと考えさせられる内容でした。また読みたい。今は橋爪大三郎氏の宗教と社会学の本を読んでいます。