旅の果て

長い長い旅が終わりました。お仕事と絡めた尾道・倉敷・姫路・小豆島旅行。とても素敵でした。特に尾道と倉敷もう一度行きたい。歩いてて遊園地みたいなの。ただの道も遊園地になる。それってすごい奇跡。

尾道は坂と家に入り組んだ迷路のような路地で時をかけそうだったし、人懐こすぎる猫は膝に容赦なく乗ってきて、格別猫好きでないあたしでさえキュンキュンきたほど。夜に沈む小さな港は、すぐそこにある島々を魔女の宅急便の移動中にある光るネオン街のように映し、時を止めたままの商店街や数え切れないお寺たちは尾道だけのものでした。泊まった宿は自宅を民宿にした一軒家。広い洋室に廊下にある漫画を持ち込み読み耽りました。華倫変という鬼才の漫画に出会い、性と日常を今一度考えました。どれもひどいようで良い話。手作りの朝ごはんにはいちじくジャムが出て、感激していたら一瓶くださり、大事に横浜に持って帰ります。そして宿の思い出は宿帳と手作りのアクセサリーに。世界一短い片道100円のフェリーは生活の一部で羨ましく、尾道は青春時代を送りたい街でした。

倉敷はとにかく美観地区の美しさ。両親の強いススメも納得。夜の小運河と白壁の建物。こちらは尾道よりもずっと古い時のまま。観光地になっているのも納得。ずっと見ていたい町並みを歩くとそこには小さな古本屋が。偶然にも倉敷への目的である蟲文庫さんでした。ここには友人が作っていてあたしもエッセイを書かせていただいている東京荒野という雑誌が置いてあります。だから倉敷に訪ねたかったんだけども。夜も遅いし訪ねるのは翌日にと決めてたのに夜の散歩で行き着いてしまって、とても嬉しい偶然。店主さんとお話しし、その夜は倉敷のビジネスホテルに。夜中に双眼鏡で見たお月さまが綺麗だった。兎はいませんでした。朝になり美観地区へ再び訪れ、いがらしゆみこ美術館へ。その少女の可愛いこと。花のバックが似合う美少女は、大和和紀と池田理代子に並ぶんじゃないかしら。もちろん他にもたくさんいらっしゃいますが。高橋真琴とかね。そして倉敷をあとにして、一度姫路に帰ります。倉敷もまたいつか訪ねたい街。

姫路は今回のお仕事の拠点地でもあり、一度仕事をして姫路城へ。それからスナック街を練り歩き、いつもは行かない場所を散歩し、いちばんのんびりしていました。ささやかな記念日もあり。違った一面の姫路を垣間見ました。

つづく。

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