
その先へ
私はその先へ行きたい。
2018年の芝居で全てを投げ打ってしまった私が、こんなことを思うのはおこがましいかもしれない。
確かにあの時、本番近くになって、中心核の役者が失踪し、芝居が打てないかもという窮地に立たされた時、私は祈ってしまった。
「この先、どんなことが起こってもいい。幸せなことなんて何ひとつなくていい。だから、この芝居だけは打たせてください」
この祈りは神に届いたのか、悪魔と契約されたのか、無事に全公演の幕が開き、そして幕がおりた。
そして、私も“しばらくおしまい”になったのだ。
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この時の祈りを私は決して後悔してない。
心から本気で願ったし、どうしてもやり遂げたかった。
そのあと数年、泡になったとしても、私の人生においてこの芝居はなくてはならなかった。
それで全てを失ったとしても。
実際に数年、空白になった。
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私は完全復活した。
けど、その余波を今、受けている気がする。
泡から人間に戻った私が望んだこと。
それは長年の夢ではなくて、新たな夢。
いろんなものを手放して諦めたけど、でもこれだけは叶えたいと心から願った夢。
それが叶わない。
まあ、そういうことなんだと思う。
こんな甘っちょろい考えで、いきあたりばったりの、勢いで叶えることではない。
でも、この夢は今しか叶えることができない。
そして本気で叶えたい。
これが叶わなかったら、私はそれこそ、もう夢も希望もないのだ。
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私は、見えないものが見たいし、触れられないものに触れたかった。
でも、作り手としてはそれじゃ駄目だった。
見えないものを、触れられないものを、自ら作り出させなければいけなかった。
私自身が見る方を望んでどうする。
そして、私はいま、その先に行きたい。
いままで築いたものを後回しにしてもなお、その先に行きたい。
だから、この道を選んだ。
他のことは努力していなくても、これだけは日々、がむしゃらに向き合っている。
けど、そんな甘くはないことを目の当たりにしている。
でも、会いたい。
会いたいのです。
先日、瞬発的に、久しぶりに心から祈った。
神様お願いって。
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大丈夫。
こんなこと書いてても実はそこまで凹んでない。
数日前は絶望の淵にいたけれど。
希望と絶望の紙一重の日々。
そりゃ疲弊しちゃうよね。
でも生きている限りは、希望を持ち続けようと思う。
それに心強いパートナーがいるしね。
本当に救われている。
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余談ですが、今日は元カレこうちゃんの誕生日です。
おめでとう。