11月8日

抱きしめたい言葉たちがあって。
それと反対に刃のように突き刺さる言葉たちもある。

どちらかだけ排除することなんて出来ないし
どちらかだけ受け取ることなんて出来ない。

難しい問題。

最近は浮標のような日々で。
たくさん眼球のクリーニングが出来ました。

「きっと未来がやばいの」

相対性理論の歌にあるように
きっと未来はやばいんです。

今日で14年経ちました。
あの日のことは決して忘れない。
そしてあたしは死んでも忘れないから、二度と忘れられることないの。
永遠に生き続けるの。

トーマの心臓みたい。

「人は二度死ぬという まず自己の死 そしてのち 友人に忘れ去られることの死
それなら永遠に ぼくは二度めの死はないのだ(彼は死んでもぼくを忘れまい)
そうして ぼくはずっと生きている 彼の目の上に」

何度となく読んだこの物語を自分に重ねていました。
彼女の足跡を、彼女の思考を、彼女の生き様を。
あたしは追い求めていく。

重い話になるけど、あたしの生きていく理由は明確なの。
こんなに未来ってやばいんだよって言うために生きているの。
毎年、この11月8日に、青山で、冷たい石を抱きしめながら。
こんなに楽しいんだよ。
こんなに素敵なんだよ。
こんなにキラキラしてるんだよ。
って。

勿論言えない時もある。たくさんある。
そういう時は、ごめんね。って。言えなくてごめんね。って。

でもね、この14年。あたしは本当にたくさんの人と出会って、たくさんのことがあって。数え切れない程、笑って、泣いて、感動して、傷ついて、どうしてあの時あたしじゃなかったんだろうって思ったりもして、それでも、あたしは此処にいてよかったよ。

あたしは今まで出会った全ての人と全ての出来事に感謝します。
そして、これからも。
だって未来はやばいんだもの。

今年は戦乱の世で、激しく後悔したこともあるけれど、それもね、重要なことなの。大事なことなの。森に行って花畑を見た赤ずきんちゃんが、帰りには行きと違う赤ずきんちゃんになってるように。あたしももう別の人間なの。そうあたしもその花畑を見たかったの。先とか考えずに、ただその花を悔いのないように見つめたかったの。触れたかったの。触れたあたしが、触れる前のあたしに戻るなんて、もはやあり得ないの。

狂おしく昨年に、ううん、せめて今年の2月に戻りたくもなるけれど。
それを楽しんで生きていきます。こんな激しい感情、久しぶりだもの。受けて立つわ。

今日は雨。大好きな雨の中、この日を迎えられたこと、嬉しく思います。

いつか、また、会おうね。

2015年11月8日
千絵

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