わたしを離さないで

カズオ・イシグロのこの小説は数年前に読んだ時とても衝撃だった。
おそらく2011年あたり。
読んでも読んでも浮かばれないこの物語に釘付けだった。
淡々と進んで行く中にある静かに燃えるドラマは私を離さなかった。
最後は気になって気になってお風呂にまで持ち込んだのを覚えている。

現在ドラマ化されていて、大分アレンジはされているものの、その不思議な世界は変わってなかった。
麻と緑の印象がする。清潔感のある手が出せない救いようのないそんなドラマ。

わたしを離さないで。
という題名もとても良い。

カズオ・イシグロは他にも読みたいと思うもののまだ読めてない。

最近あたしのTwitterはネガティブだと思う。
青いようなことしか言わない。
青い世界。青はけっしてプラスだとは思えない。
空や海は明るくても。あたしの青はそこじゃないと思う。

日々、振り回されている中、何が良いのか、軸が分からなくもなる。
そんなあたしを支えてくれるのは、否、救ってくれるのは、やはり物語だと思う。

物語を紡ぐ人。
そういう人を好きになります。

行き止まりには天使がいる。
そろそろ天使に出会えるかしら。

わたしを離さないでの中の天使たちは、臓器の提供者で、他人の部品になるために産まれた。
他人の部品に、一部になるのなら、素敵なことなのだと思う。
あたしもそういう他人の一部になる物語を紡ぎたい。

もうすぐ2月になる。
2月はあたしの大好きな誕生日がある。
誰も祝ってくれなくても、あたしがあたしを世界一愛でて祝います。

キムソンへ_9661