乳白色のなにかへ

あたしにはパパとママがいて
そんな風に呼んだことないけど一度もないけど
不自由で浮遊している愛のもとに育って
ふわふわ実体のない
甘くて柔らかいものに囲まれて
生きている

ときどき見えるその乳白色のなにかに
あたしは手を伸ばす
そうすると綿菓子が熱で溶けるように
なにもなくなる
手にはべとべとなものが残って
それを残らず舐めあげる

舐める先にはなにか
卑猥な感情があって
あぁいつも飲んでいる
飲まされてる
違う
好き好んで
飲んでいる
あの感情のような

でもね
きっとピンクも白も
空中に浮かんでいる
見えない煙のようなもので

それに包まれて
あたしは好きに時間を行き来する