夢とか夢じゃないとか
夢とか夢じゃないとか
あたしの周りには夢とか夢じゃないことが散りばめられている。それを美味しくいただくこともあれば苦い思いをしながら無理やり飲み込むこともある。そのバランスは難しくって、自分でうまく選べれればいいのだけど、それが時々できなくなる。それでも霞を食べて生きるわけにもいかないから栄養を、毒を、その両方を貪り食う。ときどきはお肉のように、ときどきはキャンディのように、がぶついたり、ペロペロ舐めたり。そうしてあたしの中に何かが生まれる。吸収される。その不可解ななにかによってあたしは発光する。いろんな色に。輝いたり鈍ったり透明になったり。透明になると透き通って綺麗に見えるかもしれないけど、実はそれが一番怖くて。あたしはあたしじゃなくなる。見えなくなる。いなくなる。それが楽ちんの時もあるけれど言いようもなく切なく苦しい時もある。まるでニガモヨギを食べたときみたいに。もしかしたらその根源の、根本の、モノ自体がなくなればいいのかもしれないけど。それでも世界は、あたしは、変わらず夢を見る。見果てぬ、終わらない、限りなく透明に近いようなそれを。