あたしは何にも頑張っていない。
あたしは何にも頑張っていない。
よく活躍しているね。頑張っているね。精力的だね。
なんて言葉をもらうけど、あたしは何一つ頑張っていない。
すごく怠惰だと思う。
きっと、もっと、努力して、がむしゃらでないと、
この世の甘い汁は吸えないんでしょう。
承認欲求は満たされないんでしょう。
こんなに輝いててみんなから認められて愛されて。
あたしを見て。
みんなあたしを愛して。
そんな風になれないんでしょう。
だってそれは頑張った人だけの、
血を滲むような思いをした人だけの、
特権なんでしょう?
そうしたらあたしにはその権利は一切無い。
逃げて逃げて。向き合いたくなくて。
目の前の生活だけを必死にこなしているようで。
なにひとつ本来頑張るべき事を頑張っていないの。
文字を書くこと。
演劇を作ること。
明確なのにね。
逆にここまでわかっててどうしてやらないの?
おかしな人。
でもね。言わせて。
まったく頑張ってこなかったわけではなかったのよ。
一生懸命頑張って来たのよ。
唐組からドイツからビニヰルテアタアまで。
ライター仕事もがむしゃらに頑張ったし。
でもね、思うようにならなかったの。
今の時点のお話ね。
掴めたと思っても砂のようにサラサラとこぼれてく。
あれ?どうして?って。
その繰り返しなの。
いつか南阿佐ヶ谷のライブハウスで、
あるアニメの曲が歌われてて、
それで号泣したっけ。
そう、ちょうど1年前のお話ね。
あぁ頑張ってなかったわけじゃなかったなーって。
必死に頑張ってはいたんだよなーって。
そう、そんなことを思うのです。
でも確かに今のあたしは怠惰で。
やらなきゃいけないことは山積みなのに。
目の前に生活に逃げてるね。
うふふ。ごめんなさい。
失敗だった?
間違ってた?
大丈夫。
そんなこともないはずよ。
だってどっちもあたしの手の中にあるんだもん。
だから未来はあたしの手の中に。
ねえ、そうでしょう?